国際的評価を受けるインタラクティブ・エージェンシーの経営戦略立案から実施、海外事業展開、人事戦略、M&Aを手がけました。OICの総合力を理解する上で一番のケーススタディです。
プロセスの標準化とブランディングが高成長のキーに
日本トップ3のプロダクショングループである株式会社ティー・ワイ・オー(以下、TYO)からスピンアウト後、急成長を続けるティー・ワイ・オーインタラクティブデザイン(以下、TYO-ID)。その経営をハンズオンでサポートしているのが、OICである。経営部分を受託するという形態は、経営の結果責任まで負うOICだからこそできたものだ。
--企業の経営者をコンサルティングすることは一般的でも、経営者になってしまうケースは珍しいと思います。どういう経緯だったのでしょうか?
松谷(弊社取締役)「2002年に、TYOグループの代表である吉田氏から声をかけてもらったのがきっかけでした。そのころ、TYOのメディアデザイン部という一部署として活動していたウェブデザイン部門を、TYO-IDとしてスピンアウトさせたい。そうするにあたって、経営、特に管理および事業開発を任せたい、というオファーでした。」
--どういうミッションだったのでしょうか?
松谷「それまで実は、メディアデザイン部は設立以来、赤字続きでした。独立するに当たって、その黒字化が急務でした。また、インタラクティブ分野という、今後大きな成長が見込まれる市場において、しっかりとした成長戦略を描けるか。その事業モデルの構築が課題でした。
まず、黒字化への方策ですが、それまでは制作プロセスがバラバラで、どこでコストが発生して赤字となっているかも分からない状況でした。作りたいように作って、いざあけてみると赤字だった、というようなことも起こりうるといった具合です。
そこでまず、制作プロセスを確立させ、分業体制を作ることに専念しました。ディレクション部分、デザイン部分、テクノロジー部分、制作管理部分というように、プロセスのどこでいくらのコストが発生しているのかを明確にすることで、プロデューサーがしっかりとコスト管理できるようにしました。
たとえばデザインをデザインチームに頼むと、そこでの作業時間にもとづいて、社内の部署間でそのコストを請求する仕組みです。予算も、部門ごとに管理することで、コスト意識が高まり、利益率は大幅に向上しました。
結果として、分社初年度でいきなり単年度黒字化を達成。その後は増収・増益の急成長を遂げています。また、これは当初から想定してはいたのですが、労働時間がそのままコストに直結するため、常態化していた長時間労働が削減されるというメリットも生まれました。」
--成長戦略としてはどのようなソリューションを提案したのでしょうか?
松谷「TYO-IDの強み、コアコンピタンスは何か?と考えたときに、それは高品質なクリエイティブとそのマネジメントにあるのではないか、と思い至りました。会社の方針として、クリエイティブ・マネジメントとプロジェクト・マネジメントに注力していくことを決定しました。逆に言えば、細かなデザイン作業、プログラム作業はできる限り外注していくことにしました。このことにより、複数のプロジェクトを同時に、いくつも走らせることが可能になりました。
他の制作会社がその規模を拡大していくのを横目に、TYO-IDは社員数30人という基準を頑なに守っています。そのため、全体としてクオリティを下げることなく、売上・収益ともに大きくのばすことができています。これも、マネジメントに特化したことによる効果でした。
また、TYO-IDのブランド戦略も成功しています。カンヌをはじめとした、海外広告祭での受賞によって、TYO-IDの日本における確固たる地位が確立しました。また、海外の優れた制作プロダクションとの提携により、日本国内だけではなしえない高品質かつユニークなクリエイティブを提供し、評価を得ています。こうしたブランディングは、TYO-IDの価値を高めることにつながり、制作単価の引き上げというかたちで、成果となって現れてきています。」
--他の企業であっても同じような成果を上げられますでしょうか?
松谷「ビジネスの基本は同じです。コストの見える生産プロセスを確立することで、厳密なコスト管理を実現していくこと。会社のビジネスドメインを定めて、強みに特化した事業価値の増大を目指すこと。いち早く国際化を行いブランドバリューを高めること。いずれも、今の時代の経営状況にあったソリューションだと考えています。
ただもちろん、業界や市場の変化によって、こうした前提は変わっていきます。OICは、豊富な経験に基づきながら、その場その場の状況に応じたソリューションを提供することで、クライアントのビジネス品質を高めていきます。」
TYO Interactive Design Inc.
--企業の経営者をコンサルティングすることは一般的でも、経営者になってしまうケースは珍しいと思います。どういう経緯だったのでしょうか?
松谷(弊社取締役)「2002年に、TYOグループの代表である吉田氏から声をかけてもらったのがきっかけでした。そのころ、TYOのメディアデザイン部という一部署として活動していたウェブデザイン部門を、TYO-IDとしてスピンアウトさせたい。そうするにあたって、経営、特に管理および事業開発を任せたい、というオファーでした。」
--どういうミッションだったのでしょうか?
松谷「それまで実は、メディアデザイン部は設立以来、赤字続きでした。独立するに当たって、その黒字化が急務でした。また、インタラクティブ分野という、今後大きな成長が見込まれる市場において、しっかりとした成長戦略を描けるか。その事業モデルの構築が課題でした。
まず、黒字化への方策ですが、それまでは制作プロセスがバラバラで、どこでコストが発生して赤字となっているかも分からない状況でした。作りたいように作って、いざあけてみると赤字だった、というようなことも起こりうるといった具合です。
そこでまず、制作プロセスを確立させ、分業体制を作ることに専念しました。ディレクション部分、デザイン部分、テクノロジー部分、制作管理部分というように、プロセスのどこでいくらのコストが発生しているのかを明確にすることで、プロデューサーがしっかりとコスト管理できるようにしました。
たとえばデザインをデザインチームに頼むと、そこでの作業時間にもとづいて、社内の部署間でそのコストを請求する仕組みです。予算も、部門ごとに管理することで、コスト意識が高まり、利益率は大幅に向上しました。
結果として、分社初年度でいきなり単年度黒字化を達成。その後は増収・増益の急成長を遂げています。また、これは当初から想定してはいたのですが、労働時間がそのままコストに直結するため、常態化していた長時間労働が削減されるというメリットも生まれました。」
--成長戦略としてはどのようなソリューションを提案したのでしょうか?
松谷「TYO-IDの強み、コアコンピタンスは何か?と考えたときに、それは高品質なクリエイティブとそのマネジメントにあるのではないか、と思い至りました。会社の方針として、クリエイティブ・マネジメントとプロジェクト・マネジメントに注力していくことを決定しました。逆に言えば、細かなデザイン作業、プログラム作業はできる限り外注していくことにしました。このことにより、複数のプロジェクトを同時に、いくつも走らせることが可能になりました。
他の制作会社がその規模を拡大していくのを横目に、TYO-IDは社員数30人という基準を頑なに守っています。そのため、全体としてクオリティを下げることなく、売上・収益ともに大きくのばすことができています。これも、マネジメントに特化したことによる効果でした。
また、TYO-IDのブランド戦略も成功しています。カンヌをはじめとした、海外広告祭での受賞によって、TYO-IDの日本における確固たる地位が確立しました。また、海外の優れた制作プロダクションとの提携により、日本国内だけではなしえない高品質かつユニークなクリエイティブを提供し、評価を得ています。こうしたブランディングは、TYO-IDの価値を高めることにつながり、制作単価の引き上げというかたちで、成果となって現れてきています。」
--他の企業であっても同じような成果を上げられますでしょうか?
松谷「ビジネスの基本は同じです。コストの見える生産プロセスを確立することで、厳密なコスト管理を実現していくこと。会社のビジネスドメインを定めて、強みに特化した事業価値の増大を目指すこと。いち早く国際化を行いブランドバリューを高めること。いずれも、今の時代の経営状況にあったソリューションだと考えています。
ただもちろん、業界や市場の変化によって、こうした前提は変わっていきます。OICは、豊富な経験に基づきながら、その場その場の状況に応じたソリューションを提供することで、クライアントのビジネス品質を高めていきます。」
TYO Interactive Design Inc.